未来のミライ
- A
- 2018年7月22日
- 読了時間: 2分
更新日:2018年7月25日
昨日から公開された映画、「未来のミライ」を観ました。公開日からちらほらと感想はきこえていたので特別な期待はしていなかったのですが、「時かけ」ファンとしては見に行かざるを得なかったのです。
以下、ネタばれを含みます。
私は「つまらない」という感想は抱きませんでした。映画が終わるまでの間は、自分の人生にいるのではなく、恰も自分がくんちゃんになったようでした。エンディングテーマがフェードアウトした瞬間に、くんちゃんやその家族が自分の中に吸収されていくような感覚。そして、一つ一つのシーンが美しい夢のようで、私がこれまでに忘れ去ってしまった記憶の隅をつつかれたような気分になりました。
おかあさんがみらいちゃんを抱いてかえってくるシーンの輝き。銀色の結婚指輪。血のつながる赤ちゃんにいたずらしたくなるきもち。怒るおかあさん。くんちゃんの頬にキスをするおかあさん。今は亡きひいじいじを腕の中から見上げるくんちゃん。おかあさんを怒る声に耳を塞ぎ雨の中走り出すくんちゃん。アルバムをめくるおかあさんと、そのアルバムに写る家族。
東京駅のシーンは、私の記憶と重なり、大人になった今でも夢に出てきそうです。幼い頃に見ていたら、絶対にトラウマになっていたなあと思います。
細かい描写も、いろんなことに一喜一憂していた幼い頃の自分のよう。
話をしながら車に荷物を詰め込むおとうさんとおかあさん。
ダメなところもあるけれど、そんなところさえも愛おしいふたりでした。
それから、細田作品を見て毎回思うのですが、どの作品にも必ず図書館の描写が出てきます。今作では元いた時間軸に戻るためのキーポイントが図書館のインデックスでした。
「時をかける少女」ではゴルトベルグ協奏曲と高校の図書館。
「サマーウォーズ」では仮想空間OZの中に巨大なライブラリー。
「おおかみこどもの雨と雪」では移動図書館。
「バケモノの子」では渋谷区に実在する図書館が出てきました。
まさか今作にも出てくるとは思わなかったので鳥肌が立ちましたが、細田監督は図書館が好きなのでしょうか。特に言及はしていないようなので真相はわかりませんが、もしも何かの間違いで監督とお話しできる機会があるのなら、きいてみたいです。ちなみに私は図書館が好きです。
日常と、歴史の断片と。
この作品を見て様々な感想が飛び交うのはわかりますが、もしもいつか結婚するのなら、この映画を見てぽろぽろと涙を流す人がいいなあ。というのが私の結論です。
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